ゼロゼロ融資返済の懸念も 商工リサ ーチ支店 昨年 道北の倒産27件

 東京商工リサーチ旭川支店は、昨一年間の道北地方の企業倒産状況をまとめた。
 奈井江以北~稚内までの負債額1000万円超の倒産は27件で過去5番目に少なかった。負債総額21億9789万円と21年に次いで2番目に少ない金額だった。
 旭川市21件(前年11)、北・中空知4件、宗谷と留萌管内が各1件で、業種別では建設業9件、卸・小売業7件、サービス7件、農林漁業3件、製造1件だった。
 破産が24件と全体の91・3%を占め、原因は販売不振が19件と78%を占めた。
 資本金1千万未満の起業が15社、1千万円以上~3千万円未満9社と全体の95%を占めた。
 なお12月は4件倒産し負債総額2億5550万円。倒産企業は松屋食品(旭川市)負債額7500万円▽ファッションバック巴奈井(旭川市)5000万円▽エスケー創建(旭川市)3000万円▽クドウファーム(天塩町)1億円。
 今後の見通しについて「昨年5月の新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い人流が戻り経済活動に活気が出ているが、4年にも及ぶコロナ禍での資金繰り支援や各種支援策が縮小・終了した反動は大きく、ゼロゼロ融資の副作用として過剰債務という問題を引き起こしている。更にはコロナ禍以前からの人手不足は一段と深刻さを増し賃上げなど待遇改善を図った企業にとって経営を圧迫するという悪循環に陥っており原材料・資材・燃料などの価格の高止まりによって複合的な問題が企業を直撃しており経営改善が進まない企業の中には事業意欲を喪失し自ら廃業という道を選ぶ事も有り得、強いては倒産増勢に向かうことも危惧されると、旭川支店は見ている。