水平線に漁り火の明り イカ釣り漁船 礼文沖の戻りイカ漁最盛
イカ漁が行われている礼文沖などで、イカ釣り漁船の漁り火が冬の厳しい海を照らしている。
八雲町のイカ釣り漁船第27勝宝丸が8月下旬に入港して以降、利礼沖などで操業する船は増えず水揚げも振るわなかったが、今月に入り礼文で産卵する〝戻りイカ〟によって徐々に水揚げが上向いてきたことから青森、福井、長崎などから稚内港に入港する漁船が5隻以上数えている。
イカ漁船は天候状況を見ながら稚内港を昼前後に発ち、数時間かけて漁場の礼文島沖に到着。日没で薄暗くなってからは集魚灯でイカをおびき寄せ、朝方まで漁を続ける。
礼文島沖などが見える夕日が丘パーキング周辺の高台からは、イカ漁船が放つ幾条もの光を見ることができる。一日で数千箱以上の水揚げがあった数年前は礼文沖などで夜、30隻以上の船が漁をしていたこともあった。イカ漁師は「あの時のように戻る日はあるのか」としみじみ語っていた。