週末雑感

 暑さにうんざりし日めくりを見ると8月も残り10日ほど。夏というより秋である。元旦から速いもので8カ月経ってしまった。
 この年になり時の速さを殊更述べるつもりは無いとはいえ一日、一週間、一カ月の速いこと。鏡を見て苦笑する自分がいる。
 3年半以上のコロナ禍を過ごし改めて感ずるのは普段どおりの日常の有難さである。カネと名誉が無い分、自由気儘な人生を送り好きな時に何でもすること出来たものの、金縛りのような行動制限を強いられ、「あの人、感染したようだよ」などとの戯れ言に振り回され「今度は自分の番かな」と疑心暗鬼に陥った灰色の日々を過ごしてきた。
 ポワロのような〝灰色の脳細胞〟ならいいが、胸の奥にどんよりした灰色の気分が満ち満ちた生活は精神衛生上も至極悪い。
 志村けんや岡江久美子など有名人も亡くなり自分の回りの危険性も孕む中、手洗い、うがいなどしワクチンを通知どおりに受け密を避けマスク着用を忘れずしてきた予防対策もあり、どうやらこうやら感染することなく今に至っている。
 稚内では余り聴かないが、禍中つぶれた会社、飲食店は多いことだろう。ゼロゼロ融資によって存続したものの、3年間の返済猶予を終え今後耐えられず店仕舞する所もあることだろう。
 食料品だけでなく電気もガソリンも上がりこれだけ八方塞りの人生をこれまで経験したことがあるだろうか。
 禍中前からの格差が拡大し政治に安寧を求めるも世襲政治家一家の二代、三代目では青雲の志もなかろう。