北海道北部電力送電により国内最大の蓄電池施設など完成 きのう150人出席し竣工式

豊富町民センターで行われた竣工式

北豊富変電所で行われたテープカット

 風力発電国内最大手ユーラスエナジーホールディングス(東京)などが出資する北海道北部電力送電(吉村知己社長)が道北地区での風力発電のための送電網整備の実証事業として、北豊富地区で建設していた世界最大級の蓄電池施設(総蓄電容量72万㌗時)などが完成し16日、現地で竣工式が行われ、関係者150人余りが施設の完成を祝うと共に再生可能エネルギーの更なる拡大に期待を寄せていた。
 道北地域は風が強く風力発電の適地とされる一方、これまで送電態勢が脆弱だったことから大規模な風力発電を建設しても電力を送ることができなかったが、安定した電力を供給させるべく総事業1050億円(国からの補助4割)を投じ稚内~中川間延長78㌔の専用送電線を整備した。
 稚内や豊富、幌延の9カ所で2025年度までに建設される127基(最大計54万㌗時)の風車と接続し一般家庭約9万5000戸分の一日電気量を蓄える能力を備える蓄電池も整備した。
 豊富町民センターで神事終了後、バスで移動した蓄電池がある北豊富変電所で吉村社長は「設備を安全かつ安定的に運営し再生可能エネルギーの導入拡大を支え、地域社会とともに発展し、安定した電力の供給を通じて持続可能な社会への貢献を目指したい」と挨拶したあと、関係者13人がテープカットし施設の完成を祝った。
 今回の送電線と蓄電池などの完成に、工藤市長は「送電線などの整備もそうですが、風力発電の建設によりコロナ禍の中、今年も来年も資材搬入などで稚内港を使わしてもらうのでマチに対する貢献は大きい」と話していた。

川南ウインドファームが今月中に商業運転 ユーラス社稚内支店 

高さ145㍍の風車

 式典終了後、完成した蓄電池に今月中にも電力を供給する大型風車19基からなる川南ウィンドファームの現地視察があり、ユーラスエナジーホールディングスの加藤潤稚内支店長が設備概要を説明し「今月中にも商業運転を始める」と話した。
 ユーラス社は2025年4月までに稚内、豊富、幌延の3市町の6ヵ所に世界最大クラスの大型風車107基(総出力46万㌗時)を建設する。稚内~豊富間で20年から着工した川南ウインドファームは3年かけ、1基当たり4300㌗時のタワーからブレード(羽根)まで高さ最大145㍍、総重量465㌧の風車19基(計8万㌗時)を建設した。
 このあと、25年4月から運転開始予定の31基を建設する芦川ウインドファームも見学した。

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