時の話題 「高齢者の睡眠障害」
秋分の日を過ぎ秋の夜長が顕著になる季節を迎えた。道理で近ごろ寝れる訳だ。
さて、歳を取ると眠りが浅い、長く寝ていられないとよく耳にするが、単純な話し加齢による身体能力の低下が原因である。
加齢に伴って体力が落ち、白髪や老眼になるのと同じで体内時計が狂うため、血圧・体温・ホルモン分泌など睡眠を支える生体機能リズムが前倒しになり早期覚醒、つまり自分が起きたい時間より早く体内時計のアラームが鳴る。
また、深い睡眠を司るノンレム睡眠が減るため眠りが浅く尿意やちょっとした物音で何度も目覚める中途覚醒、不眠関連ではこれが一番多い。その他、寝床に入ってから寝付くまで時間がかかる入眠障害は、不安や悩み事など精神的な問題が原因。十分な時間寝ているのに「ぐっすり寝た」と感じられない熟眠障害は、何かしらの病気の症状が睡眠中に出ることで起こるため注意が必要だ。
健康に過ごすためには睡眠は大変重要であるが、高齢者の多くが不眠の症状を抱え、80歳以上となると3人に1人が悩んでいる。
良い睡眠がとれないと、高血圧や糖尿病、免疫力が低下し風邪などひきやすくなる。
更に身体の不調や寝不足で気分が落ち込みうつ病を発症することもある。
高齢者の不眠は加齢により身体機能が衰え生活習慣が変化し乱れるからである。
つまり多くの場合、昼間の活動が少なくなるためで、心当たりの方、特に仕事をしていない方は、日常生活にメリハリつけることが大事になる。