時の話題 「幼稚園児の死」

 またしても居た堪れない事故が起きた。
 5日、静岡県の幼稚園の通園バス内で3歳女児が死亡した。登園時にバスから降ろされず5時間も車内に置き去りにされたもので、当日は気温30度を超え熱中症で死亡した。
 昨年7月に福岡県でも通園バス内で5歳児が熱中症で死亡するという事故から1年しか経っていない。
 この事故後、厚労省と文科省は再発防止のため、全国の市町村を通じて安全管理の徹底を通達したが、他人事と考えていたのか。
 今回事故があった幼稚園は、0歳児から年長児まで約160人在籍しているが、出欠はシステム管理され、亡くなった女児は出席となっており、担任は姿が見えないことに気付いておらず、バスに乗っていた他の5人の園児同様、確認もせずシステムに出席の入力をしたという。
 「たられば」になるが、もし担任が欠席者の数と教室内の子ども達の数を確認していれば、もし園長(運転手)がバス内に落とし物がないか確認していれば悲劇は繰り返されずに済んだはずだ。
 現在捜査が行われており、今後、今回の事故原因、安全管理が適切だったか明らかになるが、亡くなった園児のご両親は事故で片付けられない事だろう。ご冥福をお祈りする。
 バスの中から空の水筒が見付かった。懸命に生きようとしたに違いない。遠ざかる意識の中、幼子が何を思ったかは知る由もないが不憫でならない。
 3歳という余りにも短い生涯には絶句するしかない。ほんの些細な気遣いで失われずに済む命があることを肝に銘じてもらいたい。

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