恒久平和への灯 子育て・平和祈念の灯 ドームなどで158基点灯
乗客・乗員269人全員が犠牲になった大韓航空機撃墜事件から39年が経った1日夜、第17回稚内市子育て平和祈念の灯が北防波堤ドーム内などに灯され犠牲者の御霊を供養し世界の恒久平和を祈念した。
式典のオープニングで稚内フラウエンコール、エンジェルボイスが世界の平和を願う合唱を披露したあと、参列した遺族会の川名正洋さん・祥子さん夫妻(静岡)、山口真史さん(兵庫)や実行委員会など関係者130人余りを前に、工藤市長はロシアによるウクライナ侵攻などに触れ「灯籠の点灯を通じて平和を愛する気持ちが少しでも大きく広がってほしい」と挨拶。但田勝義実行委員長が「子育て平和都市宣言の街・稚内でいつまでも平和の尊さを語り継いでいきたい」と述べた。
遺族会を代表し事件で32歳だった父を亡くした山口真史さんが「式のオープニングで合唱を聴き平和への思いが一層募りました。灯籠の火、合唱など様々な形で稚内の皆さんと共に平和の大切さを願っていきたい」などと述べたあと、参加者全員でドーム内に設置した100基と、市役所前庭の50基、活動拠点センター前8基の灯籠に火を灯し恒久平和を誓っていた。
「大韓機事故犠牲者を慰霊 宗谷岬公園で 子育て平和の日記念式典」
市、市教委など主催の第35回稚内市子育て平和の日記念式典が1日午後、宗谷岬公園祈りの塔前で開かれ、参列した115人が大韓航空機撃墜事件の犠牲者の冥福を祈った。
3年ぶりに出席した川名正洋さんら遺族会が参列する中、工藤市長は「近年、新たな戦争が起こり世界情勢が深刻化している。不条理な出来事に稚内からノーを訴え続けたい。一人ひとりは小さな存在ですが、平和を大事に姿勢を貫き子どもたちの健やかな成長を願いたい」などと挨拶。遺族会を代表し川名さんが挨拶したあと、冨澤のぞみ稚内市連合PTA子育て委員長の子育て平和都市宣言朗読、児童生徒代表6人が平和への決意を表明をした。
式典終了後、参列者は平和の鐘など鐘打し平和への思いを強くしていた。