時の話題 「距離の近さ」
月600円と安いこともあり3カ月や半年1年分まとめて支払って戴く購読者がいる。それもわざわざ会社(中央4)まで来て支払ってくれる。地方の小っちゃな新聞社と読者との近さを物語ることと感謝している。
地元のネタを拾い市井に住む人々に寄り添う紙面作りをし71年。「稚内プレス」が市民の皆さんに欠かせない存在であることに改めて気を引き締めているところである。
15年前ほどだったか当方の落ち度で稚内記者クラブを半年間、出入り禁止になったことがあった。市の広告も同じ期間、停止措置を受けクラブ経由の記事が載せられない上、経営的にも厳しくなった事があった。そのうち女性が1人、会社を訪れ「頑張ってください」と現金2万円を置いていった事があった。その女性には現金を返却したが、精神的にも追い詰められていただけに百万の味方を得た気持ちになった。
当らず障らずの記事を掲載していれば憂き目に会うこともないのだが、創刊以来、見た振りをすることが出来ぬ体質があり相手の反感を買ってしまう。
記事や広告を載せる新聞発行を生業とする新聞社にとって稚内市など行政の情報を報道する事は大事な役割の一つなのだが、一般市民の目線に合わせ報道して行くのがそれよりも大事な役目である。
1年まとめて払っても1万円に満たない購読料だが、わざわざ会社まで来てお支払いいただく。殊更取り上げる事でもなかろうと思うも、このような些細な事の繰り返しがプレスと読者との距離の近さになっているのかなと感じた次第。