故中田豊彦氏の功績称え特別表彰 葬儀の前に遺族に授与
中田組代表取締役、稚内商工会議所会頭などを歴任した故中田豊彦氏(享年98)の葬儀が4日、むとう市民斎場で執り行われ、葬儀開式を前に故人に対する市政功労者の特別表彰が工藤市長から遺族に手渡された。
中田氏は昭和40年から稚内建設協会の理事、副会長を歴任し、60年から会長、稚内市建友会長を務め、業界の発展に大きく寄与すると共に、54年から稚内商工会議所の議員、副会頭、会頭を歴任し、地元企業の基盤確立と底上げなどに尽力。稚内シーポートプラザの副社長を10年間務め、稚内マリンプロジェクトの先導的役割を果たしてきた。
葬儀前の授与式で工藤市長が「永年に亘り豊かな経験と卓越した識見をもって本市繁栄の礎を築き、市勢発展に大きく寄与され、その功績は極めて顕著であります。ここに市政功労特別章を贈り、これを表彰します」と述べ、喪主で長男の中田伸也氏に表彰状を贈呈した。
葬儀は黙祷あと、真宗大谷派の宗務総長(代続・吉田幸麿量徳寺住職)、利尻富士町の田村祥三町長(ビデオ映像)、稚内商工会議所の今村光壹副会頭が弔辞を読み上げ、遺族や親族、葬儀関係者、来賓、一般参列者が焼香し故人との別れを偲んだ。
最後に葬儀委員長の工藤市長が30数年前、当時市役所職員だった時に全日空ホテル建設のため第3セクターに数年間出向した時のことを振り返り「中田さんは副社長というお立場でご活躍頂きました。当時は会議所の会頭というお立場であり、よく出張にお供させて頂きご指導頂きましたが、若い私から見ても誰もが認める人当たりの良さと、人間味溢れかつ謙虚なお人柄は、多くの方から大変信頼が厚く、あのプロジェクトを成功に導いた大功労者の一人でした」とし、「その後も市の政策展開の大きな節目でアドバイスを頂き、私自身今も市長として、また個人的にも尊敬と感謝の気持ちでいっぱいす。昭和の後半から平成の前半にかけて、このマチを大きく発展させて頂いた。稚内にとって大功労者であり、今はまさに巨星墜つの心境であります。市民を代表して心から故人のご冥福をお祈り申し上げます」と述べた。