亡き父親を目標に　静岡の男性　自転車で日本一周旅

　自転車で日本一周の旅に挑戦している静岡の赤堀誠さん（３２）が稚内入りした。
　５年前にスイスのマッターホルン（４４７８㍍）を登山中に滑落し５８歳で亡くなった父親が学生時代の時、自転車で日本一周の旅にチャレンジした。生涯の目標として父親よりも立派な人間になりたいと願う赤堀さんは、父親が辿った道を自身も肌で感じてみたいと今年３月末で中学教員を退職して日本一周の旅に挑戦することを決意した。
　４月７日に自宅がある富士宮市を発ち、太平洋側ルートを北上し青森県大間～函館間のフェリーで今月１日に北海道入り。函館からは一日１００㌔のペースで野宿などしながら内陸を通って旭川などを走り１２日夕方、稚内に到着。１３日は利尻、礼文を回った。
　１４日朝は次の目的地の枝幸に向かう準備をしていた赤堀さんは約２６００㌔を走った１カ月の旅を「音威子府で天塩川沿いにある北海道命名の地に向かう山道で、３０㍍先にクマがいた時は驚いた。向こうは気付いていなかったが、とても恐い体験だった」と旅を振り返った。
　沖縄で折り返したあと、走行距離１万２０００㌔となるゴールの富士宮市には年内の到着を目指しており「この旅で日本中の街や自然などを隅々まで知り自身の修業の旅と位置付ける日本一周旅で少しでも父親に近付きたい。クマと出会った時のように恐い状況を乗り越えて楽しみながら旅を頑張っていきたい」と宗谷岬に向かっていった。