時の話題 「組織について」
自分が所属している会社や官庁など組織は人によって成り立っている。長く居ればいるほど家族同様、慈しみを覚え、会社を盛り立てなければならないという忠誠心が宿る。
その忠誠心の最たるものが江戸時代の赤穂47士による仇討の忠臣蔵で、組織というのは下の者の社長ら上の者への忠義で成り立つのだが、民主主義という上下の隔てが無いとする個々人尊重の精神によって大昔からみると忠誠心は薄れているのが現状か。
太平洋戦争敗戦を奇貨とし日本は経済成長まっしぐらに何があっても経済優先の社会となり、会社員は働き蟻のようがむしゃらに働き組織に忠誠を誓い経済成長の推進役となったが、その結果として無常感を抱くに至り人生の終幕が近づくにつれ後悔をする。
経済成長を支えてきたのは官であり民であり定年退職まで働けるという終身雇用だが、今その雇用形態が崩れ非正規雇用の人が日本全雇用の4割を占めるまでなった。
バブル経済の崩壊、13年前のリーマンショックなどにより中小企業含め企業は正社員との給料格差など付け、人材を使い捨てにしてでも会社を守ろうという馬鹿な風潮が広がってしまった。会社が傾いても社員の首切りなどせず終身雇用を守った松下電器産業(今のパナソニック)創業者の松下幸之助氏は草葉の陰で嘆いていることであろう。
組織は人材だ。コロナ禍で苦境にあるからといって雇用カットしないよう努めたい。給与は労働の対価だろうが、時には対価分なくても支給するのが経営者の務めと思うが。