時の話題 「恒心無くす失職者」
健全なる精神は健全なる身体に宿ると言われるが、生活が安定していないと精神は安定しない。孟子曰く「恒産なくして恒心なし」である。
コロナ禍により日本国内の失職者が7万人を超えてしまった。5月下旬に1万人を超えそれ以降は4週間(1カ月)で1万人ずつ増えているという。
感染拡大に目を奪われがちだが、多くの人が職を失っている実態に唖然としてしまう。恐らく東京や札幌など大都会に多いだろうと推察するが稚内はどうなのだろうか。稚内を中心にした稚内職安管内の9月有効求人倍率は1・44倍と雇用状況はさほど悪化していないものの、実態はどうなのか。
コロナの感染が急速に拡大しているというのに菅総理はGoTo事業を止めるどころか来年以降の延期も検討している。早く実施しているトラベル事業で観光地や温泉地などは大いに賑わったが、その混雑によって感染は拡大してしまい取り返しのつかない事態に陥ってしまったというのが現状でないのか。
菅さんは、あれだけ人が動いたのに感染者が極く少ない事を早い段階で自賛していたが、これだけ拡大してしまうと正に強弁であり、実態を多角的に俯瞰して見ているとは言えず失政の類に入るのではないのか。
鳥のように空から全体を見おろす事を俯瞰と述べるが、一部の高級官僚や政治家から聞いた事を丸呑みし自分に都合いいよう理解するのが果たして一国のリーダーといえるのか甚だ疑問だ。
恒産無くせば(失職すれば)健全な精神も宿らないだろう。