時の話題 「女帝小池百合子」

 さて何を書こうか。執筆する前には「今度はあれがテーマだな」などと思い描いていたのだが、書く段になってはたとペンが止まってしまった。
 月に一度ほどある失念である。どうも最近はその頻度が増えているようだ。でも空白にするわけには行かないので徒然でも埋めていかなくてはならない。
 東京都知事選が告示された。1400万人の人が住む首都の舵取り役は誰になるのか。現役の小池百合子氏ほか21人が立候補したが、ここまでの報道をみると小池氏の再選が濃厚のようである。
 筆者は今、石井妙子さんの「女帝 小池百合子」(文藝春秋発行)を読んでいる。きょうでも読み終わるであろう。
 この女史、なかなかのつわもので4年前の知事選には自民党が公認しないと見るや「崖から飛び降りる」覚悟とやらで出馬し魑魅魍魎とした男社会の都政に一石を投じ、その男どもに対し猛然に戦いを挑むジャンヌ・ダルクのよう劇場型選挙を創出し、あれよあれよという間に次点に100万票以上の差をつけ当選した。
 石井さんの著書に書かれている小池さんはカイロ大学を首席で卒業との学歴詐称だけでなく関わる人々を利用し踏み台にしてきた人で、その人間性を知るととてもじゃないが1票をということにはならない。それでも彼女は政界を生き抜いており、これからも虚飾の人生を歩んで行くのであろうか。
 人生は水の上の泡の如く消えてしまう泡沫(方丈記)のようであるとはいえ同著を読み百鬼夜行な政界を覗いた気がした。

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