大横綱の偉業称え 大鵬記念碑竣工・贈呈式催す
戦後、昭和の大横綱大鵬幸喜さんが旧樺太から引き揚げる際に稚内に上陸したことを記念した石碑の竣工式と贈呈式が29日、設置場所の北防ドーム公園で行われた。
第48代横綱の大鵬関の記念碑は、旧友だった稚内東部物産元社長の仲村房次郎さん=今は横浜市在住=を中心に建立され、土俵を模した土台の上に大鵬関の身長(187㌢)とほぼ同じ高さの記念碑に手形や生前サインする際に書いていた〝忍〟〝愛〟などの文字が刻まれている。裏側には「ここ稚内で降りたことで今の自分がある。横綱になれたのも稚内が原点」と、大鵬関が仲村さんに言い残した言葉が記されている。
好天だった29日午前中、ドーム公園で執り行われた竣工式には新型コロナウイルスの影響で仲村さんの出席が叶わなかったものの、大鵬幸喜上陸の地記念碑建立期成会の横田耕一さん、工藤市長ら6人が出席した。
玉串を奉納するなど神事が執り行われたあと、横田さんが「大鵬氏は私たちの時代を代表する方だった。稚内にこの碑があることで歴史を伝える大切なものになる。私財を投じ建立した仲村氏に感謝したい」などと挨拶していた。
贈呈式で、横田さんから目録と大盃を受け取った工藤市長は「仲村氏がこの場にいないのは残念だが、尽力して頂いたことに重ねて御礼を申し上げたい。大鵬関が人生の岐路に立った場所として感慨深く、多くの人が訪れ樺太の歴史を風化させないような場所にしていきたい」と話していた。
大盃は稚内樺太記念館で展示されている。