時の話題 「米国大統領選」

 アメリカが風邪引くと日本もとやゆされるほど日本と米国の関係はある意味、同じDNAを持つ英国より強いかも知れない。
 英国では保守党が大敗し労働党に政権が渡り、米国では11月5日投票に向けハリス副大統領(民主党)とトランプ前大統領(共和党)との激しい選挙戦が行われており、11日(日本時間)には両大統領候補のテレビ討論が全米に生配信された。
 トランプ氏の誹謗中傷とフェイク(嘘)は変わらず、一方、ハリス氏はこの日のため相当模擬討論を練習したのだろう、総合的に合格点を挙げていいほどそつが無かった。しかしハリス氏が断然優位と断じれるほどの評価は下されず、ラストベルト(錆びた工業地帯)などの激戦州の勝敗の行方は投票当日にならなければ分からずと言うほど混沌としている。
 国民の投票数が多ければと単純な図式でないのが米国大統領選で州ごとに投票数が他候補より上回った候補がその州の票(代議員票)を総取りするという制度(総取りでない州もある)のため、前々回の8年前の選挙では民主党のヒラリー氏が総票で100万票もトランプ氏を上回ったのに総取り制によって敗れ〝ガラスの天井〟の呪縛を突き敗ることができなかった。
 女性候補としては2人目の挑戦となるハリス氏は特別なエリートでなくドブ板選挙も辞さぬ人のようなので、前大統領というステータスがあるトランプ氏よりは一人々々を取り込めるのでは―との期待感がある。
 投票まで2カ月切り天王山を制するのは。興味は尽きない。