時の話題 「浅漬けの候補者」

 今月12日告示、27日に投開票される自民党総裁選への立候補者が9人と史上最多となり熱を帯びてきている。頭数が増えればいいと言うものではないが、立候補者少ないよりは増しな気するも「何か足りない」と思うのは筆者だけであるまい。
 全国紙、テレビなどの候補者人気度調査によると小泉進次郎氏(43)が石破茂元幹事長(67)を抜きトップに躍り出た。父純一郎元総理を彷彿させるような歯切れのいい語り口と容姿の良さが国民受けしているのかな―とは推察するも40代前半と若く経験不足なのは歪めまい。環境大臣の頃の「セクシー発言」が尾を引き、その後、雌伏の月日を過ごしたが、菅前総理の引き立てもあり満を持しての出馬となった。
 筆者もだが周りの人達に聞くと「時期尚早」の意見が大半だったが、いずれ機が熟す時が来るのに違いない逸材なことは論を俟たないのは確かだ。
 しかし、今の勢いから推し量ると小泉氏が上位2人に残る公算が高く、もう一人が石破氏なら勝利し、小林鷹之氏(49)なら接戦になろうか。高市経済安全保障担当大臣も捨てられないが、余りの右寄り志向は総理の座を射止めた時に靖国神社参拝など問題になる事が多々あり、残念だが選から洩れるか。
 9日夜のBSフジプライムニュースで読売新聞特別編集委員の橋本五郎氏が候補者に関し「浅漬けの感がする」と述べていたが、全く同感だ。
 日本トップの座を取るには自分なりの国家観が必要で、その観点から物申せば物足りなさがふんぷんする顔触れの候補者達だ。