利尻百景完成し展示 斉藤さん 樺太記念館で9月末まで開催
写真家、斉藤マサヨシさん(69)の「利尻富士百景2024」が10日から稚内市樺太記念館で開かれている。2015年から10年間数万回のシャッターを切り、選んだ100作品を発表した斉藤さんは「節目を迎えてホッとしている。展示など色々な方にアドバイス頂いたことに感謝し一区切りとしたい」と感無量の様子だった。
還暦を迎え市職員を退職した2015年、第二の人生としてこれまで撮影した利尻富士などの作品を1年間で10作品ずつ発表する「利尻富士百景」に挑むことにした。
10年間も続けられるだろうかと不安だったが、斉藤さんならではの目線で撮影され、発表してきた作品はこれまでに樺太記念館を訪れた多くの人に利尻富士の魅力だけでなく、近郊の地域の広大な自然の素晴らしさを伝えてきた。
10回目を迎えた展示では、2008年〜今年にかけて礼文島、夕来、抜海などで撮影され、斉藤さんが「稚内ブルー」と呼んでもいいと言うほど澄み切った青空、日没後に青空と夕焼けのグラデーションが僅かな時間だけ見られる〝マジックアワー〟、荒波の後に真っ白に染まった利尻富士など、この地域ならではの自然と利尻富士が見せる美しい姿をA1判の写真作品として発表している。
9日、最後の展示のため、作品を並べた斉藤さんは「展示会としては一区切りをつけますが、今後もライフワークとして利尻富士を撮影して行きたい。100作品もあるので写真集の出版や全作品の展示なども検討中です」と次のステップに向けての話もし、「地元の人はもっと利尻富士を自慢してもいい。地元の人から聞いた話は観光客の心に残るもので、写真展でその役を担うことが出来きれば嬉しい」とも語っていた。
9月には斉藤さんが写真撮影の秘話を語るミュージアムトークが予定されている。
10年要した百景展は9月末まで開催。