時の話題 「漁業の先行き」

 稚内の夏漁の代表格といえるコンブ漁、オオナゴ漁とも今年は良くない。予想されていたとはいえ稚内漁協のコンブ漁は史上最悪かと見られるほど量・質とも良くない。
 この10年近く沿岸はナマコ景気に沸いているも今年は新型コロナによって価格が3割ほど安く推移し、お盆前には夏の漁を終えた。
 3割安といえど㌔2500円以上の浜値は確保しており、今後も漁があり中国の経済が回復すれば問題にはならないが、目を覆いたくなるのはコンブの不漁である。
 今月24日には道漁連札元で1回目の入札会が開かれるが、上場される量は相当少ないようで1等、2等ばかりか3、4等も無く加工用と水昆布だけのような話も聞こえてくる。
 数千万円もの費用がかかる桁引き舟を用意せねばならないとはいえ手間が掛からないナマコ漁に比べ、採取し干し製品化するのに手間暇が必要なコンブ漁を前時代的な漁との見る若い漁師が増えているやに聞く。
 楽して儲ける流行の昨今だが、苦労して儲けるからこそ喜びは大きく、思うに今が分岐点にあるやも知れぬ。
 ニシン漁、沖底漁と稚内には栄枯盛衰の歴史があり、今がこの世の春だからといって手放しで喜ぶことなく良い時だからこそ将来を見据えた経営をして行かなければならない。
 永遠に最盛期が続くことはなく世は有為転変である。有頂天になる事なく我が世の春だからこそ対策をしっかり樹てて行かなくてはならない。
 自然が相手の生業だけに、その年々で一喜一憂することない懐深い経営を望んでいる。

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