時の話題 「稚内北星大学(1)」
短大としての開学から32年。存廃を俎上に載せるまで稚内北星大学の経営が悪化している。全学年の在籍数は122人。定員は1学年50人なので200人。定員をギリギリまで減らしているのに充足率61%ではやっていけないということか。
開学時の古い話をすると、浜森市長の号令一下のもと、当時の市職員の子弟が入学するという英断もあって250人以上の入学生を確保し、私立ながら半分市営と言っても差し支えない稚内北星短大がスタートした。
「最北端は最先端」を合い言葉に、当時、最新のワークステーションを備え木村謙二学長、丸山不二夫副学長ほか優秀な教授を数多く揃え情報メディア学部だけの単科短大とはいえ輩出する卒業生をターゲットにIT民間企業が進出してくるという華々しい時代もあった。
平成12年、4年制大学に改組転換した後も16年に東京サテライト校を開設するなど攻めの運営を続けたものの当時学長だった丸山氏が大学を去るに当り、巨額の費用がかかる最新のコンピューターシステム導入を見送り、地域に根ざしたといえば聞こえはいいが、特徴がない平凡な地方の大学になったのが、最北という地域性や少子化など様々理由があったにせよ、最大の理由であろう。
しかし、そういう状況下でも教授も学生も頑張り全国的な映像コンテストでの数々の入賞、ロボコン大会に出場するなどしてきた。学生減少での運営難は解消できなかったということなのか。
北星大学の稚内への貢献度は小さくない。存続を模索したい。