時の話題 「斬新な取組みを」
1月の倒産ゼロに続き2月も2件と、道北地域の企業倒産が小康を保ち、平成23年以来90カ月連続し一ケタに止まっている。
日本の冠たる東京商工リサーチの旭川支店の調査なので嘘偽りのないものなのだが、カウントされるのは負債1千万円以上なので1千万円未満を含むと小康とは言えないだろうと思わぬでもない。
稚内ではこの数年、負債総額の多い大型倒産が数件あり一時は停滞感が漂っていたものの、その低迷感を打破してくれたのが基幹産業である水産業であった。
昨年9月6日の胆振東部地震により落ち込みが酷かった観光業も元々、冬場は観光客入り込みは少ないのだが稚内の天候の荒々しさが注目され、大地震以降落ち込んでいた外国人観光客も回復の兆しが見られ、そして何よりも景気回復の旗頭はホタテ漁の好実績であり沖底船水揚げの上伸であろう。
JR問題、サハリン航路など内憂外患の稚内にあって土木建設業を加えた3つの産業は稚内を支える屋体骨であり、その好・不況が最北のマチの命運を握っている。
人口減少という大きな問題があり行政や経済界は頭を悩ましているだろうが、気持ちが萎えてしまうと衰退にも拍車が掛かるだろうから、ここは市長ら一部の人に頼るのでなく市民の英知を結集し事に当たらなくてはなるまい。
「人口が減っても見合う街作りをすればいい」との身の丈論もあるが、この町のポテンシャル(可能性)の高さを示し踏襲に捕われることのない斬新な取組みを期待したい。