先週のことども
台湾有事発言から1カ月経った高市総理だが、就任直後の高揚感から物事を怜悧に判断しようとする落ち着きが感じられるようになった。トップに立つ者として正直な物言いが悪い方向に導くことを悟ったようだ。
一国の総理を小馬鹿にしたような論調だが貴女より10歳年上であり、それなりの経験(小紙時代だけでなく)をした人生の先輩として許して戴きたい。
トップというのは腹底を見せてならない。一部の信頼置ける部下には吐露しても構わないが、先ずは人を信用してはならない。信じるでないを直情理解するのでなく何事にも慎重に対処するのが宜しかろう。
女性は男性に比べ打算が薄い。もちろん女性なりの母性に基づくそれはあるだろうが、男性のよう損得だけの言動が少ないよう日頃から感じている。
米国でさえ〝ガラスの天井〟を突き破るのが至難な政治家の世界にあって初めて女性総理となった高市早苗氏に国民が期待するのはある意味、男性中心社会にはない正直な物言いではあるが、人の琴線に触れるよう他の国家にとって絶対譲れない部分はあやふやにしていた方がいい。日本の歴代総理はこれまで踏襲してきたようにである。
「一線を越えた」とは言わぬもパンドラの箱を開けたのには違いない。
高市総理でなく鈴木道知事も泊原発再稼働でこれまでの慎重な姿勢から稼働容認への表明をした。自らの思いだけでなくトップとして現実的判断をしたものと評価する方向にはあるが、個人的には賛成しかねる。


