ヤングケアラーを学ぶ 市教委など主催し 表面化しないという実態も

 稚内市児童問題連絡会、市教委主催の「稚内市児童問題講演会〜地域の力で虐待防止を」が13日夜、文化センターで開かれ、表面化しにくいヤングケアラーの実態などについて学んだ。
 講演会に参加した学校長、幼保教員、市民ら80人前に、山川地学協働対策監が「支援者となり得る大人一人ひとりがヤングケアラーの子どもと向き合った時、どのような対応が必要か学んで頂きたい」などと挨拶した。
 北海道ヤングケアラー相談サポートセンターの加藤高一郎センター長が「ヤングケアラー支援最前線〜支援者に知って欲しいヤングケアラーのリアル」と題し講話した中、家族を支えているケアラーは自己犠牲心が強く自分の人生に影響が出ており負担が大きいと問題視した。
 ケアが必要な介護者などへの支援や制度はあるものの、ケアラーを守る法制度がないことに触れ「ケアする人とケアラーでワンセット。どちらかが欠けると成り立たなくなる」とし、ヤングケアラーについては、支援者がいないにも拘らず家事や兄弟の世話を担い虐待に繋がっている場合もあるとした。
 また、家庭の事情を話さない子どもがおりヤングケアラーであることに気付かないケースもあるとして、道内でもケアラー条例が制定されていることなど説明した加藤さんは「稚内市としてケアラー条例を定めることで市民への啓発にもなり関心が深まる」などと話していた。