時の話題 「灯火、親しむべし」
11月3日の「文化の日」をはさみ10月27日~11月9日まで読書週間が設けられ、読書への関心と習慣を奨励する。老若とも読書する時間が減っている世の中にあって幾分違和感がないわけではないものの、それはそれとして夜長い秋に灯火に親しむのも宜しかろう。良書を読むよう心掛けますかな。
個人的には仕事柄もあり新聞は毎日欠かさず見るが、読書という意味では今年、10冊も読んでいない。宮本輝の作品が好きで今「潮音」という小説を読んでいるところだが、1冊四百頁あり五巻まである大作なので読み終えるのに何カ月かかることやら。
という訳で年のせいもあるが読書に費やす時間は中・高時代に比べ極端に減っている。
テレビなど受動的媒体に比べ読書は自らが読もうとしなければならず、例えば小説であれば「次の展開は」と興味をそそられ自らも予測しながら読んでいく。はっきり言えば脳を刺激し頭を使うわけである。
自らが係わるという意味合いではSNSも貴重な媒体だが、こちらは今の情報を得てコミュニケーションを取る連絡ツールの役割であり読書に当らない。
読書の楽しみは体験できない事を疑似体験することであり孤独を楽しむには持って来いの代物である。「あぁこういう人生(人)もある(いる)んだな」と変に納得してしまうのが魅力だ。
中高・大学時代に蔵書し引越す度に一緒に移動してきた大半は今の家に転居する時に廃棄した。同じく溜めてきた年賀状も捨てている。終える準備に数年前から入っている。


