時の話題 「議員という立場」

 「選挙の時だけ猫なで声で一票を頼まれる」。稚内の市議会議員への市民大多数の声である。社長ら名士が成る議員に対しては昔から「偉そうだ」と不評を買っていたが、実体は―というと今も変わらない。
 市長と共に二元代表制の一角を占め稚内市政を左右しているのは「私たち」との思いがあるのなら別だが、式典や葬儀で名前が前の方にあると勘違いしてしまうのか。
 今般、稚内中学校新校舎建設工事現場の市議らの視察で市民の不評を買った〝腕組み〟だが、その後、複数人から「手あぐら(腕組み)をかくのは一番行儀の悪い行いで、議員というのは人さまの模範とならなければいけません」などと手厳しい電話があった。
 筆者は腕組みをしていた女性議員をよく知っているが、傲り高ぶる人ではなく、本紙の写真を見ると何も持っていなかったようなので腕組みしていたのかな―と思料する。
 以前、介護職を生業としていたので弱い立場の人の事は重々承知していた筈なので、投書した元市幹部職員さんが指摘するような高慢さは微塵も無かったのではと弁護したい。
 あえて申せば投書者のような誤解を生まぬ所作は公人(議員)として常々考えていなければなかろう。
 世の中には勘違いしている人が多い。ポストが上がったり会社経営に成功したりするとツーンと鼻が高くなり他人を嘲笑するといった風な言動をとる人がいる。
 功成り名遂いだ人は稲穂のように頭を垂れ他人に接する。身に覚えのある方は胸に手を当てるとよい。