時の話題 「漁業は自然次第」
道東沖の太平洋で異変が起きている。サンマが獲れ過ぎる一方、イワシの不漁が続いている。南方からの暖流とカムチャッカ方面からの寒流がぶつかり合う道東沖は好漁場で、釧路、根室など道東に海の幸をもたらしてきたが、イワシとサンマはこの数年、豊・不漁と色分けされ、根室の花咲港ではサンマ漁の不振を勘案し受入れ・処理態勢を縮小してきたところ、今年漁は操業間隔を開けるなど対策を講じている。
地域温暖化による海水温上昇はこの数年、異常なほどで稚内港の沖底船の水揚げも着実に減っており今年8月の漁獲高はこれまで無かったほど低調な水揚げだった。
ただ4月からの本年水揚げ高は8843㌧と昨年同期を27%上回っており金額も9億9千万円と1億円増えており、ホッケの好漁が寄与してきた。
タラも同60%上回るも昨年同期1900㌧弱あったスケソが千㌧以上も下回っており助子(鱈子とも呼ぶ)を製造する加工業者は痛手を受けている。水揚げが少ない分、単価が㌔10円以上上がり負担が増えている。
沿岸漁も伝え聞くところ、ナマコ相場が往時の㌔5千円→1000円台まで下がっており、コンブは昨年より良いものの、実入りが悪く今月初めの入札会で一等検は一段も無かったという。
漁業はシケが少ないと操業回数が増え、好天だとコンブの天日干しも進む。言ってみれば自然条件次第ということになる。
泣き笑いの産業を平準化するには自然に任せっ切りでなく養殖など技術進歩が急がれている。


