時の話題 「北門神社例大祭」

 今宵の宵宮祭から北門神社例大祭は幕を開ける。
 例大祭主役は子ども達が心待ちにして露店で今年170駒もの出店になりそうである。物価高の中、露店で販売される食べ物なども高くなるだろうし、とは言えど親御さん、祖父母は「無駄遣いしてはいけませんよ」と言いながら渋々小遣いを渡しているのだろう。我が家の孫たちも件のごとくである。
 筆者が子どもの頃は底引き網漁全盛時で露店街にはあふれんばかりの市民が繰り出していた。ガマの膏など売られ刀で腕など切り血が出るも膏薬を塗ると勿ちのうちに血が消える大道芸人の技に惹きこまれ、その軟膏を買い求めたもので、傷痍軍人もおりサーカス、お化け屋敷もあった。
 それに比べると陳腐そのものの店構えになり隔世の感がしているが、子ども達にしてみれば浮世の世界に足を踏み入れた感覚、実世界とは違う世界に小躍りする。神社にしてみれば稚内と市民の安寧と発展を願い宵宮祭、御輿渡御をするのだが子ども達にしてみれば仲間と露店巡りするのが肝心のよう。
 生憎の天候になりそうだが、稚内の夏到来を祝う例祭を老若男女市民全員が楽しく過ごしてもらいたい。
 五十鈴会員の高齢化などで人手が足りない昨今だが、8月のみなと南極まつり同様、一年節目の行事を堪能したいものだ。
 海上渡御、大漁祈願祭は今年も行われないのは残念だが、稚内の礎を築いてきた漁業の更なる隆盛を願い来年あたりには復活するよう願っている。
 筆者はきょう、準備中の露店街を歩いた。