時の話題 「庁舎建設で偽情報」

 今年3月、「稚内市議会を欺く行為を許すな!」との文書が某市議に届いた。市議は市に対し情報公開を求め課長クラスの職員への聴取の結果、指摘するような事実が無かったと結論づけた。
 この文書というのは稚内市新庁舎建設の入札に当たって「地元の電気設備工事業者と市建設産業部の職員が癒着談合し、建設業法技術者制度に基づく一般電気施工管理資格者の資格が有しない業者に大型工事を受注させ、議会の決議を不当に誤魔化し契約させた」とするものであった。
 同工事にはJV企業体が数社応札し、受注した業者など全てが適正な人員配置をしており全くもってがせネタであると、調べ尽くした市議は結論づけた。
 数十億、数百億円もの大型工事にはこの種の怪情報が飛び交うのが世の常とはいえ「資格者がいないにも拘らず、あたかも技術者がいるよう見せかけた」という文書表現には工事の内部事情に詳しいことを窺わせ工事自体を混乱させようとする意図があったと臆測される。
 30年以上前の話だが稚内開建発注工事を落札できなかった業者(その後廃業)が「談合あった」とマスコミ各社に告発したのに通じる臭いを感じるのは筆者だけであるまい。
 市庁舎工事は庁舎本体工事がほぼ終了し建物を覆っていたカバーが外され全貌が現わになりつつある。供用されるのは10月を予定しているそうだが、未来の稚内を背負う建物である。殊もあろうに事実無根な事を市民の代表である議員に偽情報を暴露する行いは稚内を陥れようとするもので許せるものでない。