倉弘子氏に瑞宝双光章 保護司としての功労で春の叙勲

倉弘子氏

 今年度の春の叙勲受章者が決まり、稚内からは倉弘子さん(72)=恵比須5=が更生保護功労で瑞宝双光章に輝いた。
 倉さんは稚内森林組合参事。平成4年から稚内地区保護司会に入会し、長い間、事務局を務め、平成29年に常務理事、令和3年からは副会長を務めている。
 保護司会に入る前は異業種の人たちと〝てっぺん共和国〟で冬の雪像造り、夏には保存していた雪を使ったイベントの一員として活躍。それを知った当時の保護司会長から声が掛かり、子育てに忙しく断り続けていたが、夫の協力や勧めもあり入会することになった。
 保護司になってから初めて担当したのは薬物に手を出し出所した少年。2週に一度の面談に顔を出すことがなかったことから自ら当時3歳の息子を連れて少年の元へと出向いたこと、その後も覚醒剤など手を染めた人など担当したことに触れ「薬物使用者を更生する難しさを知った。薬物は体を蝕み、心根の弱い人が使用することで人柄がガラッと変わり恐ろしく感じた」と振り返った。
 保護司として活動する中、担当する人の家族から「世話をしてくれてありがとう」との感謝の言葉が一番嬉しかったことであるとし稚内での犯罪など減り担当する機会が少なくなったことには「犯罪はないのが一番で保護司が活動しない世の中になって欲しい。これからも防犯啓発などにも努めていきたい」と話していた。
 受章にあたっては「健康で続けてこられたこと、家族や仲間の支えがあったことに感謝しております」と話していた。