時の話題 「雇用の鍵は高齢者」
数字上では長く続いてきた人手不足も解消に向いつつあるよう。しかし現実はどうなのか。各企業がどうにか遣り繰り努めているのが実状か。
今年1月からハローワーク稚内で受理する求職・求人の雇用情報にそれまでにない変化が起きており求職・求人とも前年に比べ減少している。1月の新規求職は31%、求人も22%減り、2月になっても新規に関し22%前後の減少で推移している。
経営者に訊くと人手不足は解消しておらず想像の域は出ないものの、役所(職安)を通した求人を見限った節も窺える。ただ求職も同様に減っており、稚内職安管内(稚内、豊富、猿払、天塩、遠別利尻三町)での雇用に停滞感が増しているのは確かなようで、生産年齢人口(15~64歳)が顕著に減少している中、数字として現れているようである。
64歳までの就労が低迷しているならば65歳以上の高齢者に照準を合わせればいいのではと短絡的に考えるも65歳になれば年金が支給されるので求職者は減り、雇用する側もシルバー層開拓に二の足を踏む現況もあるよう。
今後は戦略的にシルバー層を上手く雇用していかなければ企業側が雇用改善につなげるのは難しく、若年層と高齢層雇用の踊り場ともいえよう今の状況から如何に高齢者採用に向け脱皮していくかがカギとなろうか。
少子化に伴う人口減少によって稚内管内の雇用状況は正念場を迎えており今後は如何にシルバー層を雇用できるかが焦点となろう。札幌など大都市にない悲哀、それが地方の雇用環境だ。