春告げるハクチョウ 大沼 水門近くなどに飛来

 大沼に春の訪れを告げるハクチョウの先発隊が飛来した。
 シベリアへの北帰行の中継地の大沼は3月中旬まで氷で閉ざされているが、雪融け時期になると開放面が広がる水門近くや声問川下流に先発隊が飛来する。
 10日午後、水門近から下流側に200㍍ほど進んだ水辺に3羽が羽根を休めていた。雪の上にハクチョウの足跡が残り、水辺や雪の上を行ったり来たりし沼は未だ厚い氷に覆われているが、11日朝には岸から100㍍離れた湖面に9羽が飛来した。
 大沼バードハウスは2月28日で冬季開館が終了し、人の出入りが少なくなった大沼周辺は静まりかえっているが、開放面がある水辺に飛来したマガンなどの鳴き声も聞こえるようになり、気温上昇とともに冬の間、本州で過ごした渡り鳥の北帰行が増えてくる。

「大沼で氷割り始まる 氷厚く作業難航」

 大沼で11日から氷割り作業が始まり、分厚い氷を重機で砕き開放面を広げている。
 SEAS(シーモア運営会社)が管理する大沼バードハウスが今月25日に開館するのを前に、北帰行で本州から飛来しているハクチョウの休息場を確保するため市内の建設業者が風向きを見ながら作業を進めている。
 大沼水門~バードハウスまでの延長500㍍の間を岸から30㍍ほど氷割りすることにしているが、今年は氷が厚く、沼底までの40㌢ほどまで凍結していることから作業は難航しているという。
 砕いた氷が水門から声問川に流れるように氷割りを行っており、作業員は「3月に入って暖かくなったとはいえ、声問は朝晩には氷点下まで下がる日が多く、氷の融け方が遅い。作業は今週いっぱいかかりそう」と話していた。