時の話題 「大丈夫なのか稚内」

 小欄で稚内市の地震・津波対策について一筆啓上しようかと考えていたところ、けさの道新朝刊に北海道日本海側で大地震が発生した場合の道庁の想定記事が掲載されており、稚内沖の北海道北西沖で大地震が発生すると建物全壊が1万5900棟に及ぶ見通しだとあった。市町村別では稚内の被害が大きく、夏の昼間に起き避難率が低い場合、最大4千人もの死者が出るとのショッキングな記事だった。
 日本海沿岸では陸地近くに断層が点在しているため地震の揺れが大きく津波が陸地に到達する時間が速いのが特徴だそうだ。稚内の西浜(旧坂の下)~宝来までの前浜と山との間が短く大津波が押し寄せてきた場合、波にのまれる住民や住宅が多いものと想定され、過去の市議会では前浜~山との間に避難用タワーと山への逃げ道となる階段やスロープ設置が議論されたこともあったが、避難タワー建設に向けた動きは沙汰止みになった。
 滅多に地震が発生することなく市民も議会での質疑に注意を払う緊急性も自ずと生まれなかったが、自然災害は何処で起きるやも知れず中途半端に終わった津波対策であった。
 東日本大震災発生14年を契機に北海道太平洋沖の千島海溝の海と陸プレートのひずみによる大地震発生の確率の高さが指摘され、今度は北西沖地震の恐れである。とりわけ稚内の被害が甚大という記事を読み思うのは「備えあれば患えなし」との格言だ。
 市民生活の向上にむけ話し合うのはいいが防災対策も抜かりなく稚内市、議会双方とも留意せねばなかろう。