読者コーナー

 青森県八戸市の「みちのく記念病院」内で起きた患者による殺人事件をめぐり、事件を隠蔽した疑いがあるとして、青森県警は当時の院長と被害者を担当した主治医を犯人隠避の疑いで逮捕した。病院の評価・評判を落としたくないという隠蔽体質は、勿論大きな問題です。私が注目したのは、実刑が下されている犯人の男の供述です。男は入院患者との間でトラブルを繰り返し、両手をベッドの柵にひもで縛りつけられることが何度もあり、抑制されることに耐えられなくなり、「人を殺せば警察に逮捕されただちに退院できる」と考えるようになったようです。逮捕されることより精神的・肉体的苦痛をともなう入院治療というのは、本当に患者のためになっているのか?と思うのです。精神科病棟には閉鎖病棟もありますし、病院に不利益になることは隠し通せる条件が整っています。とりわけ通院歴・入院歴のある患者さんやご家族の方は、どう思われましたか?(江別市・伊藤康生)