時の話題 「トヨタの精神」
会社経営にとって大切なことの一つに冗費=ムダを省くことが求められる。官庁、民間問わず経費節減は至上命題ともいえドンブリ勘定では稚内の沖底船団、それにヒモ付く水産加工場ではないが潰れてしまう。
人口が減り過疎化が顕在化する中、収入が減るのだから冗費をできるだけ少なくせねばならず、今でこそ「世界のトヨタ」の冠名が付いたトヨタ自動車は黎明期、鉛筆一本も無駄にせず短くなったらサックを付け最後の最後まで鉛筆を使い通したという逸話がある。思うに本当の話だったのであろう。
時代は変わり何事も不自由ない生活を送る現代人、とりわけ若い人には「バカみたいな話」と笑い飛ばすやも知れぬが、何でも最後まで使い切るというのはケチとかの話でなく物を大切にする気持ちを醸成する意味合いでも人としての成長にも資するだろう。
先日、プレス社でB4判の紙に6行くらいの記事一つを校正用に載せたことで社員を諭した。「天下のトヨタでさえモノを使い切るよう努めた」
パソコンなどOSの時代になり鉛筆云々という事はなかろうが、物を大切にするという姿勢は人にとって大切な事であり、少しでも節約し会社の業績を上げようという精神につながればいいのかなと現代っ子の社員に対し願っている。
売上が上がらなければムダを省き支出を抑えるというのは経営のイロハであり、この苦しい時代を乗り切る上で肝所となろう。
「巨人軍は永遠に不滅です」(長嶋茂雄)よう小社もそうあらねばならない。