時の話題 「職親会解散」

 昭和44年(1969年)設立と言うから56年もの歴史がある稚内職親会の3月いっぱいでの解散が決まった。
 障がいのある中学生の社会参加めざし職場実習など後押しする活動を行ってきたが、この十数年、職親会を通し生徒達が実習する機会が無くなり、実際するにしても特別支援学級を有する中学校や養護学校が独自に行うことになったことに加え事務局の担当者が今春で辞めることになり後任者が決まらなかったという事情もあったようである。
 創設時、稚内には稚中にしか特殊学級(今の特別支援学級)がなく障がいを持った中学生が会員事業所での実習に従事することで卒業後に就労し事業所の戦力として自立する糧を得ることで社会性など身に付けるという役割があった。
 当時、稚中特殊学級職員室は一般教諭の職員室から離れたところにあり、先生が生徒の個別指導をし社会に出ても最低限の挨拶や人としての根気力など培うため奮闘していたのを思い出す。
 筆者が現役の頃、よく取材に通い先生と生徒らの様子をつぶさに見るだけでなく五井先生や鎌田先生、桜井先生らと親しくしていただいたものだった。
 稚内プレス社として活版印刷時代に生徒を採用し、その後、写植デジタルと移行する中生徒を採用することはなくなったものの、加藤茂博会長(寺江食品専務)時代に入会してから40年以上、会と係わってきたこともあり解散には一抹の寂しさもある。
 この間の時代の流れは速く障がい者を受け入れるのに何の抵抗も無い社会が作られた。