時の話題 「政治の混乱」

 世界各国で政治が混乱している。政治と言うより政治家の資質により波乱含みになっていると指摘する方が妥当か。日本では岸田総理辞任の声が上り、米国大統領選の民主党候補の現職バイデン氏から候補のすげ替えは日を追い高まっている。
 東京都知事選にみられたよう既存政党の体たらくは見るも無残で大都市に強かった立憲民主党が支持する蓮舫氏が当選はおろか得票3位に甘んじるとは。時代が変化していることを痛感する。
 稚内など地方都市の選挙と言えば衆院中選挙区時代、自民党と旧社会党が議席を分け合う〝55年体制〟が長く続き、ぬるま湯にどっぷり浸かった社会党には政権奪取という高邁な考えなく万年野党に満足していた。
 小選挙区制導入によって潮目に変化が生じた気はしたが、2度の政権交代で国民意識として定着したのが自民党でなければ政治は治まらないという錯覚で選挙の度に集票マシンともいえる土建業界を中心にした保守勢力により日本の政治はある意味、安定してきた。その集大成が安倍晋三内閣であった。
 凶弾に倒れた安倍氏を継いだのが番頭役の菅義偉氏だったが短命に終わり、次が岸田文雄現総理である。
 衆院任期を1年3カ月ほど残す前に自民党総裁選があり、衆院補選や今回の都議会補選の敗北もあって岸田氏は風前の灯にある。
 政治の安定というのは絵空事であり、人間の本能とも言えよう首座を狙う国取り合戦に安寧はなく、国レベルでなく地方レベルでもライバルを蹴落とそうとする策謀が無くなることはない。