年度末にかけ増勢か 商工リサ ーチ支店 道北地方の企業倒産

 東京商工リサーチ旭川支店は、10月の道北地方の企業倒産を公表した。本紙既報したホテルおかべ(稚内市中央1)1社だけの倒産で負債額は4億1126万円。
 「おかべ」は業績不振に加え新型コロナウイルス感染拡大での集客低下が追い打ちとなり破産。コロナ関連では道北初の倒産となった。
 ただ倒産は1件に止まり、国・自治体による資金繰り対策が奏功し小康状態を保っている。
 緊急事態宣言解除によって旭川地裁の法的手続き申請の受け入れが再開し、6月4件、7月5件と増勢していたものの、8~10月まで2件と歯止めが掛かっている。
 金融庁と日本銀行から全国銀行協会に対し資金不足に陥った企業の手形・小切手を不渡り報告として掲載せず取引停止処分を猶予している状況も倒産が顕在化していない一因としている。
 今後について同支店では、10月からは東京を含めGoToトラベル・イートがスタートし、コロナ禍での打撃を受けたサービス業を中心としカンフル剤になっているのは好材料ながら、既に緊急融資を受けた企業の中には手元資金枯渇から再び融資申請する企業が増えており業績が上向かない状況での追加融資に関しては将来的に過剰債務に繋がることもある。経営体力の脆弱な企業は苦境に直面し経営者のマインド・モチベーション低下もあり事業継続を断念するケースが増えることが想定され、年度末(来年3月)にかけて倒産は増勢を辿る可能性が高まっているとしている。

「ホンダオート道北倒産」
 東京商工リサーチ旭川支店によると、稚内(朝日5)と豊富で自動車販売業をしていたホンダオート道北(豊富町・水谷慎也社長)が10月30日まで事業を停止し事後処理を旭川市の弁護士に一任し倒産した。負債総額6600万円。
 1992年(平成4年)から事業を始め稚内と天塩で2店経営していたが、競合する業者が多く販売が低迷していた稚内店を2018年6月に閉鎖。その後「とよとみ店」だけで営業してきたが、昨年9月の売上高が1億700万円に止まり、今年になっても苦しい資金繰りが続き事業継続を断念した。

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