豪雨の後始末 被害判り復旧作業着手

 豪雨被害から一夜明けた8日、市内では河川の氾濫で流れ込んだ土砂の片付けなど復旧に向けた作業が進む一方、被害状況が明らかになった。
 稚内地方気象台によると、6日午前9時~7日午後4時までに宗谷岬で159㍉、開運は157㍉と8月1カ月分を上回る記録的な雨が降った。7日朝方に出されていた土砂災害警戒情報はその日の夜に解除され、大雨や暴風警報も8日朝、注意報に切り替わった。
 記録的な大雨により稚内公園にある樺太師範学校同窓会の記念碑下の法面が横15㍍、縦10㍍に亘って崩れているのが見付かり、8日朝から土のうを積むなどし応急処置が行われた。稚内公園道路は11日まで通行止めされる。
 市内では宗谷岬公園道路の法面が崩れるなど合わせて10カ所で土砂崩れが発生。応急作業を急いでいる。
 拡幅工事が施工されている富岡4の市道緑・富岡環状線では、住宅街に向かう両側道路入口7カ所が、大雨により砂利が流され陥没し、アスファルトも一部崩れた。陥没した場所は通行止めされ、8日朝から復旧作業が進められている。
 7日に氾濫した恵比須2を流れるシュルコマナイ川では、重機を使って川底に積もった土砂を取り除く作業が行われ、道路が冠水する被害があった市内各所では、道路管理者や住民が土砂や泥を片付けしていた。

「民家でも復旧作業」
 緑1、大渕幸男さん(75)宅クサンル川の氾濫でビニールハウスなどが浸水したが、8日には近所の友人が駆け付け後片付けに追われた。
 川沿いの自宅裏にある庭では、畑でレタスや大葉、2棟のビニールハウスではミニトマトを育てていたが、川の氾濫で水を被り、野菜の葉には泥がびっしりついていた。
 大渕さんら4人は8日朝から後片付けに追われ、畑に堆積した泥をスコップで取り除いては運び出していた。
 大渕さんによると、数年前の大雨ほどではないものの、車庫まで浸水したとし「何より収穫間近だった野菜がダメになってしまったことが悔やまれる」と肩を落としていた。

「11日土砂崩れ警戒 気象台、再度大雨警報発表も」
 発達した低気圧の影響で10~11日にかけて稚内地方は再び大雨になる恐れがあり、稚内地方気象台は7日の雨で地盤が緩んだ場所の土砂崩れに警戒を呼び掛けている。
 9日は晴れの予想だが、10日から天候が崩れ、11日にかけては発達しながら北海道に近付く低気圧の進路によっては稚内は再び大雨になる恐れがあり、大雨警報を出す可能性があるとしている。

「避難所全て閉所」
 市(総務防災課)によると、7日にかけて最大80人が避難していた12カ所の避難所がすべて閉所された。
 8日朝まで宝来地区活動拠点センターだけ地域住民ら6人が避難していたが、午前9時前に全員自宅に戻り避難所を閉めた。

稚内公園の崩れた法面の応急処置

陥没した富岡4の緑・富岡環状線

シュルコマナイ川の土砂撤去作業

大渕さんビニールハウス復旧作業

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