時の話題 「退職騒動(2)」

 実は今回の市の若手職員の辞職騒動を記事にした6日の前日の5日までは「時の話題」だけにしようとの腹があった。5日夕方、19歳という若者の家に行き本人と話をする中、記事にすることにした。その一番の理由はこの先も同様な事が起こるのではとの懸念のためであった。
 「時の話題」は結構愛読者はいるが、どうしても書き方が甘くなり記事に比べると辛辣さが薄くなる傾向がある。年のせいもあろうが「程々に」という気持ちが緩衝材として注入されるのだろう。
 若者に会う前日の4日、会社を訪れた市の幹部職員は「彼は他人と目を合わせず、コミュニケーション能力も欠けている」などと言っていたが、直接会った若者は目を合わせぬどころか純粋な目をし屈託なく話し、更に「(勤務中の)昼休みのランニングを禁じられたことで我慢して勤めてもダメだ」との思いも披瀝していた。
 ランニングは彼にとって不満解消するためのもので、その突っ返棒まで外されてしまったのは彼自身の尊厳を踏みにじるものだったのだろう。
 人には夫々価値観があり他人が些細なことだと考える事でも本人にとって重大な事がある。人間同士の交流(仕事を含め)には立ち入れない所があるのを失念した結果が招いた辞職劇といえよう。
 市役所を辞めたのだから「もしかしたら」と我が社(プレス)への就職を勧めたが、あっさり断られてしまった。新聞社がブラック企業であることを知っていたのだろうか。
 前途有望な若者を潰した罪は軽くない。猛省するべきだ。

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