時の話題 「天皇皇后両陛下」
天皇陛下が23日、85歳を迎えられ所感を語られた。太平洋戦争のこと、美智子妃殿下のことなど語られる時、声が微かに震えられた御様子に「人間天皇」としての国を想うお気持ちと60年もの間連れ添われてきた妃殿下への夫としての愛情が感じられ、天皇として国民に語りかける最後のお言葉として記憶に残るものとなった。
サイパンやペリリュー島など戦場となった南洋の島々、そして民間人も巻き添えになり20万人もの犠牲者が出た地上戦が展開された沖縄には10数回行幸啓され火炎瓶も投げられたこともあったのに続けられた両陛下。雲仙でも神戸でも東日本でも等々、被災地に励ましのため、お出掛けになり被災者と同じ目線になり優しく言葉掛けする両陛下。励まされた誰もが「やさしいお言葉に、頑張って行こうと思いました」と元気付けられた。
象徴天皇の立場を理解され慰霊と励ましの旅を続けられたのであろうが、その姿は元首そのものであり安倍総理とは異にする。民間人から初めて妃殿下になられた美智子さまの姿勢が天皇陛下に強い影響を与えたのは想像に難しくない。
来年の4月30日をもって退位され翌1日から皇太子さまが新しい天皇に即位されるからといって我々国民は現天皇陛下・皇后両陛下を蔑ろにすることは恐らくなかろう。
新しい両陛下は徳を重ねられ徐々に現両陛下のように崇められる御存在になられるだろう。
時代が変わってもGHQが最も危惧した天皇への国民の思いは変わるものでない。いやそう信じたい。