時の話題 「寒風身に沁みて」

 師走である。普段の仕事のほか年の最後ならではの業務が加わり家庭でもそろそろ年末大掃除など新年の準備に大童といったところであろう。
 小社も普段の新聞製作に加え正月号作りが始まり猫の手も借りたいほどの心境を筆者はしている。
 ボーナスなど年末の資金需要期にも当たり決して好業績とはいえない市内にある会社の社長さん方は資金手当てに頭を悩ましているものと察せられる。
 この繁忙期に拘らず例えばだが身内に不幸があるなどしたら忙しさに拍車がかかり天手古舞になろう。
 何かしら飄々として見え誠実な畑義彰さんが亡くなった。年の瀬控え家族の方々は心身とも大変だろうが、体を大事に菩提を弔って戴きたい。
 筆者とは濃密な付き合いとは言えなかった畑さんだが、どこか安心し話をできる人で、30年近く前になるだろうか、全道制覇した稚中マーチングバンドが師走に開催された催しのアトラクションにゲスト出演したことがあった。当時、マーチングバンド父母会の会長をしていた畑さんに筆者が「全国大会に出場したチームのあり方として良いのでしょうか」と疑問を投げかけたところ、普通の人なら若僧の物言いに「生意気な」などと一言あって当然だろうが畑さんは真摯に受け止めてくれ、何を言ったかは忘れてしまったが筆者の言葉に耳を傾けて戴いた。
 それ以来、嫌な顔ひとつせず優しい目で迎え入れて戴いた事に感謝し、今日日中の弔問に臨んだ。
 また一人、大切な人が亡くなってしまい寒風身に沁みてくる。

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