時の話題 「3億円事件」
3億円強奪事件から50年たった。昭和43年1月10日、東芝府中工場従業員の冬のボーナスを積んだ輸送車の乗車員は白バイに乗った犯人に「車に爆薬が仕掛けられている」と言われ輸送車を降りたところ車もろとも犯人に奪われてしまった。
やさ男風で見方によると女性のようでもあるモンタージュ写真はびっくり仰天した現金輸送車乗車員の目撃証言によって作成されたのだろうが、犯人検挙にとって初動捜査が最も重要視される中、モンタージュが本物の犯人とかけ離れていたなら幾ら地取りしても捕まるはずはない。
映画やテレビも犯人役にジュリーこと沢田研二さんを起用するなど注目され続けた3億円事件は時効も成立し市民の口端に上ることもなくなった。
人に危害を与えず大金をせしめるという痛快な事件は犯行後の余韻もあり何故か人口に膾炙したのを覚えている。捜査陣はそうでなかったろうが。
「犯人はうまいことやりやがったな」とヒーロー視する人もいたほどであった。
東京の世田谷一家惨殺事件、オウム真理教の弁護士一家殺害事件と残酷な犯罪は筆者が生まれた以降も数多あるが、人畜に被害与えず大金を盗み取るというのは鼠小僧治郎吉のようで、犯罪とはいえ痛快事ではあった。
今年も残すところ、あと20日ほど。大きな犯罪なく除夜の鐘を聞きたいと願うも何事が待ち受けているや知れず、お巡りさんにひと踏ん張りしてもらうしかないかな。
そして平成最後の年(4月30日までだが)を憂いなく迎えたいものだ。