時の話題 「お題目だけでは」
10月から赤い羽根募金に続き12月からは歳末たすけあい募金が始まり、寒風の中、共同募金委員会の人達が中心になり街頭募金活動が行われている。
稚内市はいずれも500万円程度を目標により多くの市民の募金を呼びかけている。貧者の一灯である。
1億2千万人もの人口があると沢山の富を持った長者だけでなく日々の生活に困窮する人もおり、ある意味、資本主義の象徴ともいえる不平等を相身互いの精神で幾らかでも緩和しようとするのが国民募金の趣旨だろうと考える。
普段の日常生活では他人や他の家族のことに淡白な日本人だが、10月以降、特に12月は神仏にでもなったかのように公徳の心を発揮しようとする。
資本主義の功罪は富を持つ者と持たない者が存在することであり最近は長者と貧者の開きが大きくなっているようで、日産自動車のゴーン前会長は長者の代表ともいえ、派遣など非正規労働に従事する人が65歳までの生産人口の4割も占め、更には65歳以上の年金受給者も国が描いたようなバラ色の老後でなく日々の食べ物に窮する層があるのは事実であり、このような国民の実状を分かっているのか、切迫感が欠如する政治家含め一部金満層のやり放題になっているのが今の日本でないのだろうか。
先日、小社を訪れた日本共産党の紙智子参議と対談する中、東京から帰郷し稚内プレス社に入り、東京の頃の給料に追い付くのに10年かかったなどと、地方都市での収入の低さを指摘した。「地方の時代」のお題目は言うは易しの現況だ。