時の話題 「秋篠宮さま御発言」

 数十年も続いていることだが、小社の忘年会は12月でなく11月に催している。この数年は下旬なのだが、以前は正月号の会議をした上旬に催していた。12月は正月号作りが佳境を迎えるので「その前に」ということなのだが、世間一般の常識からは外れている。しかし永年11月に忘年会をやってくると常識外れがそうでなくなる。人の世の面白さといえなくもない。
 先月30日、53歳の誕生日を迎えられた秋篠宮さまが来年11月に行われる新天皇(今の皇太子さま)即位の大嘗祭での国費支出に疑義を呈し、その志を伝えた宮内庁長官を「聞く耳を持たなかった」と述べた。
 現天皇陛下の大嘗祭には国費(約22億円)が使われており政府や宮内庁は新天皇の大嘗祭への国費支出も踏襲する決定をしているが皇族の中から異を説える意見が出るのは異例のことで波紋が広がっている。
 日本国と日本国民統合の象徴である天皇の私的行事に国費を支出するのは如何かと問うたもので「政治的発言では」と眉をひそめた一部の識者に対し、菅官房長官が(政治的発言の)火消しに努めるのに滑稽さを感じたのは筆者だけであるまい。
 時代は変化してきており昔の常識は未来永劫通じるものでない。その時々を生きる人が融通無碍にして行けばいいことで、国事だから、稚内市の事だから、会社の事だからと墨守しようとするのは未来への展望を消失させる一因になるのではないのか。
 良識は必要だが常識は時代の変遷で変わるものである。時代に合うものにすればいい。

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