時の話題 「サハリン航路(2)」

 サハリンとの客船航路は途絶えてしまったが貨物に関しては北友ストア(吉川勝社長)やT・O・M・A(當摩篤志社長)などによりサ州とは指呼の一衣帯水にある稚内港からの輸出は堅調だ。
 北友ストアは昨年までチャーター船によってサ州のショッピングセンターに食品を輸出していたが、今年は稚内に入港する活ウニ運搬船の帰り船を使うことにし今月15日にはネベリスク港に荷下ろし、ユジノサハリンスクに運び入れた。
 吉川社長はネベリスクでの税関手続きを不安視していたものの、問題なく手続きを終えたそうで、これからもウニ輸入船の帰り船を使いサ州ビジネスを展開したいとしている。
 用船はコストがかかるものの、帰り船を使った場合の費用は知れており、北友ストアとしてメリットがある。
 ハートランドフェリー時代のようヒトもモノも運べる貨客船が運航できればいいが、おいそれと実現することでもなく、北友ストアのよう輸入業者独自の運搬船確保策が必要になる。
 ロシアとの貿易も以前ほど煩雑でなくなったようにも側聞する。
サハリンプロジェクトのオイルマネーでサ州のロシア人の生活レベルは格段に向上しており、この機を逃すことはない。
 北友ストアに続き、食料品ばかりでなく日用品だって日本製品へのニーズは高まっているという。
 人口が減り経済がジリ貧を辿る中、活路はサ州であろう。そういうことでも今年の定期航路休止は稚内にとって大痛手だが、貨客船が運航するのであれば容易に取り返せることだろう。

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