時の話題 「サハリン航路(1)」

 稚内市の第三セクター「北海道サハリン航路」(HSL・藤田幸洋社長)がサハリン州にあるサハリン海洋汽船と共同で運航したサハリン航路2年目の昨年の乗客が目標2180人(乗船率35%)を806人下回る1374人(同25%)だったことから危惧されていたが、よもや中止することはなかろうと高を括っていた。しかし予想に反しサ州側が手間取ったこともあって運航前の稚内市の予算措置が間に合わず運航期間を遅らせるどころか今季中止の決断に至ったことには失望を禁じ得ない。
 2年間の実績から認知度も上がっている中での中止の決断には色々意見がある。戦前の稚泊航路復活めざし試験運航など経て平成11年から再開した航路は稚内が稚内であるための絶対的なツールである。ハートランドフェリーから引き継いだ時の覚悟の継続はサ州側の外的要因があったとしても運航期間を短くするなどして可能だった筈である。最初の意気込みは何処に行ってしまったか。
 ただ、あの小型客船(80人乗り)では覚束ないのは明白なことであり、旅客だけでなく貨物も運べる中型以上の貨客船での運航を目指す上での休止というなら船舶や乗組員確保など準備もあるだろうから止むを得ない側面もあろう。
 稚泊航路復活とかサハリンへの玄関口とか情緒も含め稚内市としての使命感あろうが、この航路は稚内市だけでの維持には無理があり国や道の支援が欠かせない。日本挙げての支援を関係する人たちは心に留め、特に政治家の皆さんにはお願いしたい。

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