今年のサハリン航路運航断念  HSL会見

 北海道サハリン航路(HSL)は25日、会見を開き、今年のサハリン航路の運航を断念したことを明らかにした。
 サハリン州政府や稚内市などの支援により運航してきたサハリン航路は今年、当初6月15日~9月20日までの37往復74便の運航を計画していたが、HSLの日向寺専務によると運航主体であるサハリン海洋汽船SASCO(サスコ)社への州政府からの運航支援が決まったのが今月に入ってからと遅く、今の時期では稚内市としても運航開始に向けた契約などに必要な支援の結論を出すことは困難と判断した。
 今後の船舶の手続きなど契約締結には時間的に困難であり「運航に必要な諸条件が整わず運航を断念する」と説明。日ロ交流の象徴的な航路として運航を担ってきたHSLとして「今回の判断は痛恨の極みと言っても過言ではありません」と語った。
 会見に同席した工藤市長は運航断念の決定を受け「昨年の運航を終えて継続を前提に取り組んできた。5月に入ってから向こうの体勢が整ったと連絡を受けたが、この時期に示されても支援の決断が出来なかった」と話した。
 藤田HSL社長は「運航の休止は非常に残念」とし、来年以降の運航については未定であるが、今年の運航の使用船舶としていた双胴船「ペンギン33」ではなく新たな船舶の導入など新しい枠組みでの運航を計画しなければならないと語った。

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