稚内市樺太記念館きょうオープン 大鵬関夫人ら迎えセレモニー

 稚内副港市場2階に開館した稚内市樺太記念館のオープニングセレモニーが25日、催され、出席した関係者らが開館を祝った。
 樺太で生まれた大相撲の大横綱大鵬関の妻納谷芳子さんはじめ関係者、市民150人を前に、工藤市長は全国樺太連盟からの寄付に感謝し「樺太の歴史的な財産を風化させることなく後世に引き継ぐもの。一人でも多くの人たちに伝えていくことが使命です」などと挨拶した。
 全国樺太連盟の西本美嗣会長は「稚内には並々ならぬ思い出があり、ふるさとのようでホッとする。連盟はあと3年ほどで解散する方向にあり、残されている記念品や資料を稚内にお願いすることになると思います」、中井市議会議長は「次代を担う世代に平和の大切さなど学んで頂く文化施設、新たな観光資源として期待が高まっている」と来賓を代表し祝辞を述べた。
 このあと、テープカットが行われ、樺太から引き揚げた人たちは館内で日露国境標石やパネルを鑑賞し故郷に思いを馳せ、大鵬関の化粧回しの前で記念撮影していた。
 大鵬関の三女、納谷美絵子さんは「オープンしたことを嬉しく思います。沢山の人に来て頂きたい」と話していた。
 セレモニー後のフォーラム=写真=には、市民ら100人が参加北大アイヌ・先住民研究センター客員教授の佐々木利和氏が「樺太における知られざる国境」と題し講話した中、樺太からの引き揚げ者の中にはアイヌの人々も多くいたことに触れ「まさに今回オープンした施設が拠点となりアイヌの文化をもっと取り入れ伝えてほしい」などと話していた。
 「樺太の歩みと稚内とのつながりについて」をテーマにしたパネルディスカッションも行われた。

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