時の話題 「人の一生は短い」

 回りの人だけでなく同じ年代の有名人が逝くと心に強く響くようになった。西城秀樹さんが亡くなった。絶叫型の歌唱には筆者自身も20歳そこそこと若かったことで惹かれた。
 脳梗塞に2回見舞われ体の機能不全があったにも拘らず再起し、コンサートを開くほどになり全快と言わずも回復途中にあるものと信じていたのに。若過ぎる旅立ちである。
 郷ひろみ、野口五郎さんと共に〝新・御三家〟と呼ばれ、筆者が上京した頃の昭和49年に流行った「傷だらけのローラ」の絶叫しながらも狂わぬ音程と所作は女性ばかりでなく男たちをも虜にした。
 西城さん含め新御三家の歌手3人の軌跡は同じ世代の若者にダブるところがあり、訃報以上に胸の奥底でずっしり堪えてくる。偽らざる気持ちだ。
 極論だが人間は生まれた日から死へのカウントダウンが始まり、幼くして亡くなる人、思春期や青春期に亡くなる人、年を取ってからはガンに冒されるなどして病死する人など様々であり、奏の始皇帝が望んだような不老不死はない。
 それは極論ではなくごく当たり前のこととも言え、それでも10代、20代、30代、40代の前半あたりまでは自分の死は思いもよらない範ちゅうの事なのだが、40代の後半にもなると親や身内の死、友人・知人の死に接することで少しずつ死を意識しはじめ、筆者のように60歳を過ぎると「あと何年かな」と心の中で呟くようになる。
 短くなってきたとの思いもあるのか、この数年の一年の過ぎることの速いこと。何やかやと悔悟している暇がないほどである。

コメントを残す