時の話題 「マニュアルはない」

 人生、人の生き方にマニュアル(手引き)がないというのが筆者の持論であり社員に説諭している。
 昨日の読者コーナーへの老齢の女性からの投稿で、温泉童夢に行ったのはいいが、財布を忘れたことに気付き受付で身分証明を見せたが入浴は出来なかったという。
 受付の職員にしてみれば規則、それこそマニュアルにのっとった対応なのだが、いただけない。
 その様子を見兼ねた高齢の御夫婦から100円(高齢者入浴料)を渡され、そのお礼に投書したのだ。
 規則通りに対応した職員を批判する気など毛頭ないが、幾らか温情というのか折角温泉に入りに来た高齢者の身になった対応もあったのでないだろうか。
 契約含めた公務員というのは国、都道府県、市町村で決められた規則を遵守しなければならないのだが、余りに規則に縛られた業務は時として一般市民との摩擦を起こすことがあるので留意したい。
 今回の冷たいとも捕れかねない一件は、受付の業務として就業規則のほか過去に同じようなケースがあったやも知れないが、余りにも情がない遣り方であろう。
 それこそ筆者が社員に言う「マニュアルに捕われていては良い仕事ができない」に当てはまる。
 普段、何もない時は規則を持ち出すまでもない。問題は何かあった時の対処の仕方でマニュアル通りでは今回の童夢のようなケースになってしまう。
 相身互いの精神で困っている人がいれば助けるのが人の道であろう。傍で見ていた老夫婦の善行のように。

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