時の話題 「嘘は卑しい」
人間は嘘をつくものだと悟っていても嘘をつかれると良い気分はしないし、嘘をついた人間に嫌悪感さえ生まれる。
恐らく相当な秀才なのに何故見え透いた嘘をつくるのか。加計疑惑の渦中にある柳瀬唯夫元首相秘書官のことである。
「記憶にある限り会ったことはありません」から「記憶を呼び起こすとその場に居たかも分かりません」などと趣旨を翻した国会での参考人招致発言に対し、実直そうな今の愛媛県知事が憤りをあらわにし3年前の県職員と柳瀬さんが会った日に交換した名刺を日付け入れで公開した。
いかにも狡猾そうに木で鼻を括るかの如くクールな態度に終始する柳瀬さんに絶体絶命のピンチがと思うのは素人の浅はかさであり、彼と彼の周辺はあざとい弁明策を考え次の舞台に臨むのだろう。
私たちは子供の頃、親からウソはつくなと教えられたことを金科玉条のごとく守り通し、できるだけ嘘をつかないよう努めるも、くだらん見栄や虚栄心などあり食言してしまうことが間々ある。
そういうことでは嘘は人間の本性を表すものかも知れぬが、肝心要での嘘は事の本質を誤らせるので言わないほうがいい。
親からの躾もあり嘘をつくことの抵抗感・嫌悪感があるにも拘らず言ってしまうのは自己保身もあろうが、周囲の誰かを慮っての事なのは容易に推察でき、そろそろ観念すべきではないのか。
主権者たる国民でなく周囲の上の人間に斟酌するのは国民への背信行為だ。奉職した当初の真っ直ぐな心持、失念するでない。